「つくる」の範囲

ワードで文章を書くことを「つくる」という人がいました。
広告(紙面)を扱う会社にいたときに一緒だった営業のかなり敏腕の方だったのですが
彼女があまりに「今原稿つくっているから」などと「つくる」を連呼したがために
そのとき同じ仕事をしていなかった、自分の上司的な人に誤解を受け、
「営業の人に何を作らせているの?」と注意されたことがあります。

このブログは「web制作あるある」なので
こういった『あるある』を扱ったサイトでも、こういう営業と制作の温度差がたまに出てきますが
まさに、「つくる」の範囲に温度差があって紛らわしかった。

まず、その会社はとても小さな会社で、
彼女が入ってくる前は、営業部隊もみんな、制作もできる営業でした。
紙面だったので流し込み程度は手伝えるスキルがありました。

事業拡張というか、ヘッドハンティング的な流れで
彼女は営業専門で入ってきた人だったので、会社としては、じゃんじゃん営業を回って稼いでもらわないとならなかった
その彼女が「つくっている」発言をしたため、前からいた上司的な立場の人に誤解を受けたという流れ。

文章打ってるだけですよ?と説明しましたが
文字打つだけで何で営業に出られなくなるの?とまだ怪訝にされましたが、
彼女のやり方が
お客さんのキャッチやdescription的なもの(説明文)を、自分の分と、部下の人の分とを一字一句考えないと気がすまない方で、
それでもって、あまりパソコンが得意ではない方だったがために
何かと時間がかかっていた。

何かと時間がかかってというのは、
彼女とは、その広告を扱う会社に他所から入ってきましたが
私と一緒のその会社に入る前は、アシスタントさんが全部打ち込みをやっていて
彼女は口で言うだけでよかったそうなので、
パソコンのスイッチを入れて、ソフトを起動して決められた文字を打って、メールしたりどこかに保存したりするという基本的なことが
時間的にも精神的にも多少なりと負担だったんでしょう

当たり前ですが、
会社として、広告に効果が出ることが目的であり、ベストなことです。

コピーライターという専門の職業もあるように
キャッチや説明文の文章がしっくり、ぴったり、効果的なものであるということは、
いうまでもなく広告において大切な位置づけです。

ただ、効果以前に
『自分の書いた文章がそのまま紙面になる』って、それがお客様に良いねって言われる、
やはり『=気持ちが良いもの』というナルシステックな気持ちがあったんだろうと思います。
自分の描いたイラストが掲載されるとか、作った音楽が演奏されるとかそういうカテゴリーのことに近かったんだろうと思います。

ナルシストじゃないと
そもそも文章を書くだけのことを「つくる」って言わないかもしれないなぁと
後になって思いました。

どれだけ気持ちの良いことだったのか、わかりませんが
その後、自分で定期発行媒体を持つようになった彼女は
いつも常に文章を考えている人になっていました。。。
そういう人にとって
紙面媒体全部が一字一句、自分の考えた文章であるってどんなにか気持ちが良かったことだろうと思います。
家に帰っても、夜も、休日も、常に文章を考え、携帯にメモを取ったりしていました。
確かに定期的に発行する紙面を埋めるというのは、大変な作業です。
浮かんだときに言葉をメモする。普通に考えれば、仕事熱心なことです。

しかしながら、、その紙面は、たいがいは、取材する相手がいました。出版側のカラーはもちろん必要ですが、相手の意思や言い回しを多かれ少なかれ組込んで、良さや人となりが出たりするもの、、
ですが彼女は、自分の言い回しが主体で、インタビューしなくてもいいんじゃない?と思うこともあり、相手がこう直してほしいと言ってくるとご機嫌が悪くなる。。。
全て自分の考えた言い回しで埋まった紙面に酔いしれているように思え、
私は、離れてから彼女のその異常さに気づきました。

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